論文概要 原題 新生児・乳児の頭蓋変形 出版年 2023年 著書 加藤理佐 (Risa Kato), 長野伸彦 (Nobuhiko Nagano), 森岡一朗 (Ichiro Morioka)...
体位性斜頭症
論文概要
| 原題 | Positional plagiocephaly |
| 日本語訳 | 体位性斜頭症 |
| 出版年 | 2011 |
| 著書 | Carl Cummings |
| 出処 | https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23024590/ |
論文要旨
- 変形性斜頭症(PP)は仰向け寝の推奨により発生率が増加し、特に生後4か月頃にピークを迎える。
- 男児、第一子、斜頸、仰向け寝、うつ伏せ時間の不足がPPのリスク要因となる。
- PPの診断は臨床的に行われ、X線などの画像検査は通常不要。
- 予防として、日々の寝る向きの変更やうつ伏せ時間の確保が推奨される。
- 治療は姿勢調整や理学療法が第一選択であり、重度例ではヘルメット療法が有効とされるが、費用や皮膚トラブルの懸念がある。
本コンテンツは論文を機械的に要約しそれをもとに論文の要旨をまとめたものとなります。
内容の正確性については責任を負いかねること予めご了承ください。
論文の内容につきましては原文を必ずご確認ください。
1. はじめに
- 乳児の仰向け寝推奨後、頭蓋の非対称性(変形性斜頭症)の発生が増加した。
- 変形性斜頭症(PP)は、縫合早期癒合症ではなく、後頭部の形状変化として分類される。
- 本論文の目的は、PPの発生率・原因、診断、予防、治療法を整理し、推奨事項を示すこと。
2. 変形性斜頭症の発生率と原因
- 生後6週で発生率16%、4か月で19.7%、12か月で6.8%、24か月で3.3%と推移。
- 男児、第一子、先天性斜頸、仰向け寝、哺乳瓶のみの授乳、うつ伏せ時間の不足などがリスク要因。
- 頭の向きの偏りがPPの発生に影響。
3. 縫合早期癒合症との鑑別
- PPは臨床診断が基本であり、頭部X線検査は通常不要。
- 縫合早期癒合症との鑑別点は、PPでは耳が前方に移動するのに対し、縫合早期癒合症では後方へ移動する点。
4. 予防策
- 寝る向きを日ごとに変えることで、後頭部の片側圧迫を防ぐ。
- うつ伏せ時間を1日3回、各10~15分確保することが有効。
5. 治療法
- 斜頭症の大部分は2歳までに自然に改善。
- 物理療法(姿勢の調整+必要に応じた運動療法)が最も有効。
- ヘルメット療法は重度の症例に有効だが、費用や皮膚トラブルが問題点。
- ヘルメット療法は改善速度を上げるが、最終的な治療効果に差がない可能性。
6. 推奨事項
- 4か月以下の軽度~中等度のPPには、姿勢調整と理学療法が第一選択(グレードB)。
- 重度の場合はヘルメット療法を考慮(グレードI)。
- 8か月以降のヘルメット療法の効果は不明。