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変形性斜頭症に対する受動的ヘルメット療法の有効性:1050例の報告

 

論文概要

原題 Efficacy of passive helmet therapy for deformational plagiocephaly: report of 1050 cases
日本語訳 変形性斜頭症に対する受動的ヘルメット療法の有効性:1050例の報告
出版年 2013年
著書 Daniel E. Couture M.D., John C. Crantford M.D., Aravind Somasundaram B.S., Claire Sanger D.O., Anne E. Argenta M.D., and Lisa R. David M.D.
出処 https://thejns.org/focus/view/journals/neurosurg-focus/35/4/article-pE4.xml

 

論文要旨

  • 変形性斜頭症の治療におけるヘルメット療法の有効性を1050例のデータを用いて分析。
  • Argenta分類を用いた重症度評価が治療期間と関連することを確認。
  • 治療開始年齢が異なっても矯正成功率に大きな差は見られず、生後18カ月まで治療可能。
  • 既製品のヘルメットでも十分な矯正効果が得られ、高価なカスタムメイド品は不要の可能性。
  • ヘルメット療法は変形性斜頭症に対する有効な治療法であり、適用範囲を拡大すべき。

 


本コンテンツは論文を機械的に要約しそれをもとに論文の要旨をまとめたものとなります。
内容の正確性については責任を負いかねること予めご了承ください。
論文の内容につきましては原文を必ずご確認ください。

 

 

1. 背景

  • 1992年の「Back to Sleep」キャンペーンによりSIDS(乳幼児突然死症候群)の発生率は50%減少したが、変形性斜頭症の発生率が増加。
  • 治療法として、観察、体位変換、外部矯正具(ヘルメット)、外科手術がある。
  • アメリカでは、4~10カ月の中等度~重度の斜頭症患者にヘルメット療法が一般的に使用されている。

2. 研究目的

  • Argenta分類が重症度を正しく反映しているかの検証。
  • 矯正治療における適切な年齢の上限を特定。
  • 市販の既製品ヘルメットの有効性を評価。

3. 方法

  • 6年間に渡る1050人の患者データを用いた回顧的研究。
  • Argenta分類II~Vの患者を対象にヘルメット療法を実施。
  • 経過観察のため、最低3回の診察データを分析。

4. 結果

  • Type III~Vの重症度が高いほど矯正に要する期間が長かった(Type IIと比較して53%、75%、81%長い)。
  • 治療開始年齢が異なっても矯正成功率に有意差なし(生後3カ月未満 vs 12カ月以上の比較でも統計的な違いなし)。
  • ヘルメット治療による全体的な矯正成功率は81.6%。
  • 既製品のヘルメットで十分な治療効果が得られ、高額なカスタムメイド品は不要の可能性。

5. 結論

  • ヘルメット療法は生後18カ月まで有効であり、年齢上限の概念が再検討されるべき。
  • Argenta分類は重症度評価に適していることが確認された。
  • 費用対効果を考慮すると、市販の既製品ヘルメットは合理的な選択肢となる。