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位置的斜頭症:パッシブ矯正マットレスの使用経験

 

 

論文概要

原題 Positional Plagiocephaly: Experience with a Passive Orthotic Mattress
日本語訳 位置的斜頭症:パッシブ矯正マットレスの使用経験
出版年 2014年
著書 Paul Sillifant, Partha Vaiude, Sarah Bruce, Debra Quirk, Ajay Sinha, Sasha C. Burn, David Richardson, Christian Duncan
出処 『The Journal of Craniofacial Surgery』 第25巻 第4号, pp. 1365–1368

論文要旨

  • 位置的斜頭症(PP)は、乳児の頭部の形状異常で、圧力分散や頭部形状の正常化を目指す治療が必要とされる。
  • Sleepcurveマットレスは、頭部の圧力を均等に分散し、自然な頭蓋骨の成長を促す受動的矯正装置。
  • 30名の乳児を対象とした研究で、頭蓋非対称性(CVA)の平均11mm改善が確認され、重度の患者68%が軽度へ改善。
  • マットレスは低コストで使用が容易であり、ヘルメット療法に比べてコンプライアンスが良好。
  • 今後、ランダム化比較試験や3D測定を用いた研究が推奨される。

 

本コンテンツは論文を機械的に要約しそれをもとに論文の要旨をまとめたものとなります。
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論文の内容につきましては原文を必ずご確認ください。

 

概要 (Abstract)

  • 位置的斜頭症(Positional Plagiocephaly, PP)は最も一般的な頭部形状異常。
  • 治療目標は、圧力を軽減し、脳の成長を利用して頭部の形状を正常化すること。
  • 現在の治療法には、再配置指導やヘルメット療法などがある。
  • 本研究では、受動的矯正用マットレス(Sleepcurve Mattress)の使用により、頭部の形状変化を評価。
  • 30人の患者を対象に実施し、頭蓋非対称性(Cranial Vault Asymmetry, CVA)の改善が確認された。

背景 (Introduction)

  • PPの発生率は、1992年の「Back to Sleep」キャンペーン以降増加。
  • PPのリスク要因:
    • 早産、初産、男性、睡眠中の動きが少ないこと、斜頸症、特定の側での寝返り傾向など。
  • PPの診断と治療は、発育や美容面の懸念から親の不安が高い。
  • 治療法:
    • 再配置指導、ヘルメット療法、または矯正用マットレス。
    • Sleepcurveマットレスは、圧力を分散する形状を持つ受動的矯正装置。

材料と方法 (Materials and Methods)

  • 対象: 2008年4月~2010年6月に診断されたPP患者30名。
  • 除外基準:
    • 早産、12か月以上の年齢、頭蓋骨縫合早期癒合症、斜頸症、既に寝返りをする乳児。
  • 治療法:
    • マットレスと共に再配置指導や「うつ伏せ時間」の推奨。
    • 頭蓋非対称性(CVA)は左右斜め方向の測定値を用いて評価。
    • CVAの重症度分類: 軽度(<6mm)、中等度(6~12mm)、重度(>12mm)。

結果 (Results)

  • 患者の平均年齢: 5か月(範囲: 2~11か月)。
  • 男性21名、女性9名。
  • 初期CVA: 平均16mm(範囲: 4~28mm)。
  • 治療後CVA: 平均5mm(範囲: 0~18mm)。
  • 平均改善量: 11mm。
  • 患者全体の68%で重度から軽度へ改善。
  • 統計的に有意な改善が確認(P < 0.001)。

議論 (Discussion)

  • PPは発生率が高いが、発達や顔の成長には重大な影響を与えないとされる。
  • 治療法の比較:
    • 再配置療法: 効果はあるが、ヘルメット療法には劣る。
    • ヘルメット療法: 高コスト・低コンプライアンス。
    • 矯正用マットレス: 低コスト、使用が簡単でコンプライアンスが良好。
  • 本研究の欠点:
    • 対照群がない。
    • 測定誤差の可能性。
    • 3D画像を用いた精密測定が望まれる。

結論 (Conclusions)

  • Sleepcurveマットレスは低コストでコンプライアンスの良い治療法。
  • さらなる研究が必要:
    • 対照群を設けたランダム化比較試験。
    • 3Dカメラを用いた精密な測定。
  • 自然な改善過程の解明や、再配置療法の効果に関するさらなる検証が必要。