コンテンツまでスキップ

滲出性中耳炎と子供の頭蓋変形との関連性

論文概要

原題 Correlation between otitis media with effusion and cranial deformation in children
日本語訳 滲出性中耳炎と子供の頭蓋変形との関連性
出版年 2019年
著書 M P Orlando, M A Bonanno, F Y Russo, M Ralli, R Turchetta, F M Passali, A Minni, A Greco, M De Vincentiis, M Tattoli
出処 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30920633/

論文要旨

  • 滲出性中耳炎(OME)は耳内の液体貯留による聴覚障害を引き起こし、頭蓋形態異常との関連が示唆されている。
  • 本研究では、18人の小児を対象にOMEと頭蓋骨の非対称性の関連性を調査した。
  • 対象者の94%に頭蓋非対称性、72%に長頭症と異常な嚥下パターンが確認された。
  • OMEが発生した耳と同側に後頭部の平坦化が多く見られた。
  • 結論として、頭蓋形態異常や高い口蓋アーチがOMEの発生に関与する可能性が示された。

 


本コンテンツは論文を機械的に要約しそれをもとに論文の要旨をまとめたものとなります。
内容の正確性については責任を負いかねること予めご了承ください。
論文の内容につきましては原文を必ずご確認ください。

 


 

1. Objective(目的)

  • 滲出性中耳炎(OME)は、感染症の兆候がない耳内液の貯留を特徴とする。
  • 急性中耳炎(AOM)後に発生し、音の伝達が低下し、聴覚障害を引き起こすことがある。
  • 頭蓋骨の形態異常と耳感染症の関連性が示唆されている。
  • 本研究の目的:
    • 小児のOMEと頭蓋変形の相関関係を調査すること。

2. Patients and Methods(対象と方法)

  • 対象者: 滲出性中耳炎(OME)の診断を受けた18人の小児(男性13人、女性5人)。
    • 診断基準:
      • 耳鼻咽喉科の診察。
      • 伝音性難聴。
      • 非対称的なティンパノグラム(鼓膜振動曲線)。
  • 評価方法:
    • 骨格異常の評価を目的としたオステオパシー検査と身体検査を実施。
    • 頭蓋変形の有無を確認。

3. Results(結果)

  • 頭蓋骨の非対称性:
    • 対象者の94%に頭蓋の非対称性が認められた。
  • 頭蓋形態:
    • 長頭症(dolichocephaly)が主要な形態異常として確認された。
  • 嚥下パターン:
    • 対象者の72%に異常な嚥下パターンが認められた。
  • 後頭部の平坦化:
    • 滲出性中耳炎が発生している耳と同側の後頭部に平坦化が多く見られた。

4. Conclusions(結論)

  • 滲出性中耳炎(OME)の小児では、高頻度で頭蓋骨の非対称性が見られる。
  • 主要な形態的特徴:
    • 長頭症(dolichocephaly)。
    • 高い口蓋アーチ(high arched palate)と関連。
  • 臨床的な意義:
    • 高い口蓋アーチが滲出性中耳炎の発症率を高める可能性がある。
  • 本研究の結果は、OMEと頭蓋骨形態異常の関連性を示唆し、診断や治療の方向性に影響を与える可能性がある。