シノストーシスを伴わない斜頭症の最近の増加に関する観察

論文要約

論文要旨

• 縫合早期閉鎖を伴わない斜頭症 (PWS) の患者紹介件数が、1992年以降に大幅に増加した。この増加は、米国小児科学会が「仰向け寝」を推奨した時期と一致している。
• PWS患者は男児、鉗子分娩、早産、多胎妊娠が関連因子として示唆された。
• Synostotic plagiocephaly の患者紹介件数には変化が見られなかった。
• PWS予防には、SIDS予防とともに頭位の交代の重要性を教育することが必要とされる。

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目的 (Objective)

• 縫合早期閉鎖を伴わない斜頭症 (PWS) 患者の紹介件数が増加している原因を検証する。

デザイン (Design)

• 対象患者: 1979年から1994年にPWSと診断された269人の乳児。
• 方法:
  • 紹介パターンの分析: 線形回帰と時系列回帰を使用。
  • PWS患者と縫合早期閉鎖型斜頭症 (synostotic plagiocephaly) 患者の紹介パターンを比較。
  • データ分析: 人口統計学的、周産期的、臨床的変数の分布変化を評価。
  • 1992～1994年にMissouri州で出生した乳児の統計とPWS患者特性を比較。

設定 (Setting)

• 医療機関: セントルイス小児病院の「口蓋裂および頭蓋顔面変形研究所」。

結果 (Results)

• 紹介件数の増加:
  • 1992～1994年の紹介件数は、それ以前の13年間の6倍以上。
  • 16年間の研究期間中、紹介件数は統計的に有意に増加。
  • 1992年以降、年間増加率が大幅に上昇。
• PWSと睡眠姿勢の関連:
  • 増加時期が米国小児科学会による「仰向け寝推奨」と一致。
• 他疾患との比較:
  • Synostotic plagiocephaly患者の紹介件数に変化なし。
• 患者特性:
  • 平均的な診断年齢やその他の人口統計学的変数に大きな変化はなし。
  • Missouri州の出生統計と比較:
    • 男児である可能性が高い。
    • 鉗子分娩である割合が高い。
    • 早産や多胎妊娠の可能性があるが統計的有意性は低い。

結論 (Conclusion)

• 1992年以降のPWS紹介件数の急増は、米国小児科学会の「仰向け寝推奨」と関連している可能性。
• 仰向け寝によるPWSを予防するには、乳幼児突然死症候群 (SIDS) 予防教育と併せて、頭位の交代の重要性を啓発するべき。