論文要約 原題 Plagiocephaly and Developmental Delay: A Systematic Review 日本語訳 斜頭症と発達遅延:体系的レビュー 出版年 2017年...
変形性斜頭症の重症度に応じた神経発達の遅延
論文概要
| 原題 | Neurodevelopmental delay according to severity of deformational plagiocephaly in children |
| 日本語訳 | 変形性斜頭症の重症度に応じた神経発達の遅延 |
| 出版年 | 2020年 |
| 著書 | Dong Han Kim, Dong Rak Kwon |
| 出処 | https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32664163/ |
論文要旨
- 目的: 変形性斜頭症(DP)を持つ子供における神経発達遅滞の有病率と、DPの重症度との関連を調査。
- 方法: 513人のDP児を対象に、重症度(CVA、CVAI)を測定し、神経発達遅滞の評価にDDSTを実施。
- 結果: CVAが10 mm以上の子供(重症度が高いグループ)で神経発達遅滞の頻度が有意に高かった。
- 結論: DPの重症度が高いほど神経発達遅滞のリスクが増加するため、早期観察と介入が重要。
- 意義: DP児の治療において、発達遅滞のリスクに配慮した包括的なケアが必要。
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1. 目的
- 変形性斜頭症(DP)を持つ子供たちにおける神経発達遅滞の有病率を調査する。
- DPの重症度と神経発達遅滞の関連性を確認する。
2. 研究デザイン
- 後ろ向き研究(Retrospective Study)
- 513人のDPを持つ子供が外来で異常な頭の形状の相談で来院し、そのうち38人が神経発達遅滞が疑われて**デンバー発達スクリーニングテスト(DDST)**を受けた。
3. 方法
- 頭蓋非対称性(Cranial Vault Asymmetry, CVA)を測定。
- 頭蓋非対称性指数(Cranial Vault Asymmetry Index, CVAI)を計算。
- DDSTを実施した38人をCVAの重症度に基づいて2つのグループに分けた:
- グループ1: CVAが10 mm未満(21人)
- グループ2: CVAが10 mm以上(17人)
4. 結果
- グループ1(10 mm未満)に比べ、グループ2(10 mm以上)で神経発達遅滞の頻度が有意に高かった(P < 0.05)。
- DPの平均重症度、CVA、およびCVAIは、グループ1よりグループ2の方が有意に高かった。
5. 結論
- CVAが10 mmを超える子供たちでは、神経発達遅滞の頻度が有意に増加する。
- DPを持つ子供を診る医師は、軽度のケースでも発達遅滞の可能性を注意深く観察すべきである。