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後頭部斜頭症:文献の批判的レビュー

 

論文概要

原題 Occipital plagiocephaly: a critical review of the literature
日本語訳 後頭部斜頭症:文献の批判的レビュー
出版年 1998年
著者 H L Rekate
出処 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9647168/

 

論文要旨

  • 後頭部変形性斜頭症(OP)の治療に関する文献を批判的にレビューし、治療推奨の可能性を検討。
  • OPの正確な発生率や疫学データは不明で、診断基準も一貫性がない。
  • 治療方法には観察、機械的介入、外科的手法があるが、エビデンスの質は低い(ほとんどが回顧的研究)。
  • 現在、治療法の有効性を評価するための統制された臨床試験は不足している。
  • 外科治療の有用性を検証し、未治療による影響を明らかにする研究が必要。

 


本コンテンツは論文を機械的に要約しそれをもとに論文の要旨をまとめたものとなります。
内容の正確性については責任を負いかねること予めご了承ください。
論文の内容につきましては原文を必ずご確認ください。


 

1. 背景と目的 (Object)

  • 背景: 後頭部変形性斜頭症(Occipital Plagiocephaly, OP)の治療方法については、統一された推奨がない。
  • 目的: OPに関する文献を批判的にレビューし、治療法に関する推奨を確立するための基盤を評価。

2. 方法 (Methods)

  • 文献収集:
    • 1966年以降の査読済み記事を対象。
    • コンピュータ化された検索技術を用いて、関連するキーワードで検索。
    • 4308件のタイトルをスクリーニングし、89件をレビュー対象に選定。
  • 分類方法:
    • 記事を以下のエビデンスレベルに基づいて分類:
      • クラスI: 前向き無作為化比較試験。
      • クラスII: 信頼性の高いデータに基づく前向き研究または回顧的分析。
      • クラスIII: 回顧的データに基づく研究(最も一般的)。
  • 検討対象: 治療が議論された文献。

3. 結果 (Results)

  • 発生率と診断基準:
    • OPの正確な発生率は不明。
    • ラムダ縫合癒合の発生率は3~20%と幅がある(診断基準の違いによる)。
    • 診断基準として、ラムダ縫合の骨隆起が唯一の共通要素。
  • エビデンスの質:
    • クラスIの研究はゼロ。
    • クラスIIの研究は1件のみ(複数の治療群と未治療群を比較)。
    • 大部分の研究はクラスIII(回顧的研究)。
  • 治療方法:
    • 観察のみ。
    • 機械的介入(例: ヘルメット治療)。
    • 外科的手法(さまざまな手術技術)。

4. 結論 (Conclusions)

  • 現在、OP治療における明確な推奨は不可能。
  • 外科手術は高コストでリスクも伴うため、その有効性を支持する証拠が不足。
  • 未治療の患者が治療を受けないことでどのような影響を受けるかの研究が重要。
  • 治療法の評価には、統制された臨床試験が必要。

5. 今後の課題

  • OPの発生率や疫学データの確立。
  • 一貫性のある診断基準の策定。
  • 複数の治療法を比較する質の高い臨床研究の実施。
  • 特に手術の役割について、長期的な影響を検討する研究の必要性。