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変形性斜頭症の子供のエビデンスに基づいたケア、第1部：評価と診断

 

 

 

論文要約

原題 Evidence-Based Care of the Child With Deformational Plagiocephaly, Part I: Assessment and Diagnosis
日本語訳 変形性斜頭症の子供のエビデンスに基づいたケア、第1部：評価と診断
出版年 2012年
著書 Wendy S Looman, Amanda B Kack Flannery
出処 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22726709/

論文要旨

  • **変形性斜頭症（DP）**は、外部圧力による乳児の頭蓋非対称性で、仰向け寝文化で一般的に見られる。
  • **斜頸（torticollis）**はDPの主な関連要因で、早期の発見と管理が重要。
  • 視覚的観察や頭部計測（頭幅指数や斜め計測の差異）が診断と重症度分類に役立つ。
  • DPと頭蓋縫合早期癒合症を区別するため、耳や頭蓋の位置などを詳細に評価する。
  • 早期診断と適切な管理により、重度の変形や発達遅延のリスクを軽減可能。

 


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内容の正確性については責任を負いかねること予めご了承ください。
論文の内容につきましては原文を必ずご確認ください。

 

 

1. Objectives（目的）

  • 乳幼児の正常な発達と変形性斜頭症（DP）の発症の関連性を説明する。
  • 斜頸（torticollis）とDPの発達および管理への影響を記述する。
  • DPと頭蓋縫合早期癒合症（synostotic plagiocephaly）を区別する。
  • 乳児頭蓋の標準測定手順を示す。
  • DPを種類（側方型 vs 後方型）と重症度（軽度、中等度、重度）に基づいて分類する。

2. Background（背景）

  • DPは頭蓋にかかる外部圧力による非対称性で、一般的に側方型（頭部一側の平坦化）または後方型（後頭部全体の平坦化）として現れる。
  • 生後数カ月は、乳児が自力で頭の位置を調整できないため、DPが進行しやすい。
  • DPのピークは生後4カ月で、その後、運動発達により改善する場合が多い。
  • 頭蓋形状の「正常性」は文化的要因や寝かせ方の習慣によって異なる。

3. Generational and Cultural Factors and Head Shape（世代・文化的要因と頭部形状）

  • 仰向けで寝る文化では頭部が短く広くなる傾向がある（例: アジアの乳児）。
  • うつ伏せで寝る文化（例: ナイジェリア）では、頭部がより狭長になる。

4. Risk Factors for Deformational Plagiocephaly（変形性斜頭症のリスク要因）

  • 仰向けでの睡眠姿勢が主なリスク要因。
  • その他の要因:
    • 初産児、男性児、介助分娩、首の問題（例: 斜頸）。
    • 子宮内制約（胎児の姿勢や位置）。

5. Correlation With the Back to Sleep Campaign（仰向け寝推奨キャンペーンとの関連性）

  • 1992年、米国小児科学会（AAP）は乳児の仰向け寝を推奨。
  • 突然乳児死症候群（SIDS）は40%以上減少したが、DPの発生率が増加。
  • DPの紹介件数は600%増加。

6. Developmental Factors Related to Deformational Plagiocephaly（DPに関連する発達要因）

  • DPの乳児は運動発達が遅れることがある（例: 座位、寝返り、はいはい）。
  • 斜頭症が発達遅延のリスク因子である可能性が示唆されている。

7. Torticollis and Deformational Plagiocephaly（斜頸とDP）

  • DPにおける最も一般的な合併症は斜頸。
  • 斜頸の早期発見と治療がDP管理の重要な要素。
  • 斜頸は首の筋肉の不均衡が原因とされ、頭の偏った向きや頭部の平坦化を引き起こす。

8. Assessment and Diagnosis of Deformational Plagiocephaly（DPの評価と診断）

  • 乳児の頭部形状を前方、後方、上方から視覚的に観察。
  • DPと頭蓋縫合早期癒合症を区別するため、耳の位置や頭蓋の非対称性を確認。
  • 計測ツール（例: カリパー）を使用した正確な頭部の測定。

9. Visual Assessment（視覚的評価）

  • 側方型:
    • 一側の後頭部平坦化。
    • 対側の後頭部膨らみ。
    • 耳の位置が前方にずれる。
  • 後方型:
    • 後頭部全体が平坦化。
    • 頭部の幅が広くなる。

10. Distinguishing Deformational From Synostotic Plagiocephaly（DPと頭蓋縫合早期癒合症の区別）

  • DPは通常、外部圧力によるもので、耳が前方に位置。
  • 頭蓋縫合早期癒合症は、頭蓋縫合の早期癒合が原因で耳が後方に位置。

11. Anthropometric Assessment（計測評価）

  • 頭部幅（横径）、長さ（前後径）、および頭囲を計測。
  • 頭部形状の比率（頭幅指数: CI）を算出。
  • 側方型では、斜め計測の差異（TDD）を重視。

12. Determining Severity（重症度の分類）

  • 軽度、中等度、重度の基準を視覚的および計測結果に基づいて分類。
  • 側方型は斜め計測の差異、後方型は頭幅指数（CI）で分類。

13. Conclusions（結論）

  • 仰向け寝文化でDPは一般的だが、早期介入により管理可能。
  • DPの診断には、視覚的および計測評価を一貫して行うことが重要。
  • 小児科医はDPの予防と管理に積極的に関与すべき。