論文概要 原題 Effectiveness of Conservative Therapy and Helmet Therapy for Positional Cranial...
斜頭症の治療における矯正(ヘルメット)療法
論文要約
| 原題 | Orthotic (helmet) therapy in the treatment of plagiocephaly |
| 日本語訳 | 斜頭症の治療における矯正(ヘルメット)療法 |
| 出版年 | 2013年 |
| 著書 | Jo Ling Goh, David F Bauer, Susan R Durham, Mitchell A Stotland |
| 出処 | https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24079781/ |
論文要旨
- 1992年の「Back to Sleep」キャンペーン後、変形性斜頭症の発生が増加し、矯正用ヘルメットが治療法として普及。
- 矯正療法は頭蓋の形状を改善する効果があり、特に6か月未満での治療開始が効果的。
- 軽度~中等度の症例でのヘルメット療法の必要性や臨床的意義は議論の対象。
- 長期的な治療結果は安定しており、親と子どもの満足度はおおむね高い。
- 高品質な研究の不足、コストの高さ、治療指針の確立が今後の課題とされる。
本コンテンツは論文を機械的に要約しそれをもとに論文の要旨をまとめたものとなります。
内容の正確性については責任を負いかねること予めご了承ください。
論文の内容につきましては原文を必ずご確認ください。
背景
- 1992年の「Back to Sleep」キャンペーンにより乳児突然死症候群(SIDS)が減少。
- キャンペーン後、変形性斜頭症(deformational plagiocephaly)の発生率が増加。
- 矯正用ヘルメット(cranial orthosis)の使用が治療において一般的になる。
矯正療法の歴史
- 矯正用ヘルメット(cranial orthosis, cranial band)は1979年に初めて科学的に記載。
- 古代ペルーでは、儀式や外部圧迫による人工的頭蓋変形が行われていた。
- 現代のヘルメットは頭蓋の成長を特定方向に促進することで形を矯正。
- 主に受動的圧力を用いるが、一部は能動的な矯正力を加えるデバイスも存在。
研究方法
- PubMedで以下の用語を用いて文献を検索:
- 「変形性斜頭症」と「矯正器具」
- 「変形性斜頭症」と「ヘルメット」
- 42件の文献を分析し、最終的に36件を選定。
- Class II(7件)、Class III(1件)、Class IV(13件)を含む。
ヘルメット療法の効果
- 矯正用ヘルメットは変形性斜頭症の治療に有効であるとされている。
- 矯正用ヘルメットと保守的治療(例: 頭位変更、理学療法)の効果比較。
- ヘルメット療法は効果的だが、軽度~中等度の症例に必要かどうかは議論の余地がある。
- 例: 保守的治療と比較して統計的には優位な改善が見られるが、臨床的意義は不明。
治療開始年齢と効果
- 適切な治療開始年齢は4~6か月とされる。
- 6か月以降の治療では改善率が低下。
- 12か月以上でも改善が見られるケースはあるが、治療効果は低下しやすい。
長期的な結果と満足度
- ヘルメット治療後の長期的な頭蓋の形状変化は安定している。
- 親の満足度と子どもの生活の質(QOL)には影響が少ない。
- 残存する非対称性への親の不満は21%で、深刻な不安は少数。
課題と今後の研究
- 高品質な研究(Class Iエビデンス)が不足している。
- 矯正用ヘルメットのコスト(1000~3500ドル)が治療普及の障壁となる。
- ランダム化比較試験を含む更なる研究が必要。
- 臨床的意義、コスト効率、および長期的影響を調査する研究が推奨される。