論文概要 原題 Reference Values for Cranial Morphology Based on Three-dimensional Scan Analysis in...
乳児の頭部形状測定における従来の頭部測定と構造化光3次元スキャンの比較研究
論文概要
| 論文名 | A Comparative Study between Traditional Head Measurement and Structured Light Three-Dimensional Scanning when Measuring Infant Head Shape |
| 日本語訳 | 乳児の頭部形状測定における従来の頭部測定と構造化光3次元スキャンの比較研究 |
| 出版年 | 2021年 |
| 著者 | Zhi-Feng Wu, Qiong-Li Fan, Li Ming, Wang Yang, Kui-Lin Lv , Qin Chang, Wen-Zao Li, Cheng-Ju Wang, Qiu-Ming Pan, Li He, Bin Hu, Yu-Ping Zhang |
| 出処 | https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34976756/ |
論文要旨
- 乳幼児の頭部形状測定方法として、伝統的測定(スプレッディングキャリパー)と構造化光3Dスキャンの相関性と一貫性を評価した。
- 71名の乳幼児を対象に、両方法で頭部周囲径、横径、前後径、斜頭指数 (CVAI)、頭蓋指数 (CI) を測定。
- 両方法は高い相関性 (r=0.793~0.980) と一貫性を示し、どちらも正確な測定が可能。
- 伝統的測定はシンプルでコスト効率が良くスクリーニングに適しているが、3Dスキャンは詳細なデータ取得や異常形状の診断に有用。
- 用途に応じて両方法を組み合わせることで、乳幼児の頭部測定の精度と効率を向上できる。
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1. 背景 (Introduction)
- 乳幼児の頭部形状問題の発生率:
- 海外の研究で、乳幼児の斜頭症の発生率は 8.2–46.6%。
- 中国の研究では、0~6か月の健康な乳幼児で頭部問題の発生率が 56.5%。
- 測定方法の重要性:
- 頭部形状の診断には正確な測定が不可欠。
- 測定データは、異常の重症度、分類、治療方針の決定に重要。
- 現在使用されている測定方法:
- 中国本土で一般的な方法は「伝統的な測定(スプレッディングキャリパー使用)」と「構造化光3Dスキャン」。
2. 方法 (Methods)
- 対象者:
- 対象者: 生後3か月~2.5歳の乳幼児 76名。
- 除外基準: 測定に協力できない乳幼児、病歴のある乳幼児など。
- 最終的に71名のデータが有効。
- 測定手法:
- 伝統的測定方法:
- スプレッディングキャリパーとメジャーを使用。
- 頭部周囲径 (HC)、横径、前後径、斜径を測定。
- 構造化光3Dスキャン:
- Spectra 3Dスキャナーを使用。
- 頭部形状を3Dでスキャンし、データを分析ソフトで解析。
- 伝統的測定方法:
- 分析:
- Pearson相関係数とBland-Altmanプロットを用いて、2つの測定方法の相関性と一貫性を評価。
3. 結果 (Results)
- 測定結果の相関性:
- Pearson相関係数: 0.793~0.980。
- 頭部周囲径 (HC)、横径、前後径、頭蓋指数 (CI) はいずれも高い相関を示す。
- 斜頭指数 (CVAI) の相関係数は最も低いが、それでも0.793と高い。
- 一貫性:
- Bland-Altmanプロットでは、2つの測定方法間で高い一貫性を確認。
- 補足データ:
- 伝統的測定では得られない頭蓋の体積や耳の位置のずれなどのデータを3Dスキャンで取得可能。
4. 議論 (Discussion)
- 伝統的測定の特徴:
- シンプルでコスト効率が良いが、熟練した技術が必要。
- 測定中、乳幼児がじっとしている必要があり、繰り返し測定が必要な場合もある。
- 3Dスキャンの特徴:
- より多くの詳細データを取得可能。
- 計測には環境や乳幼児の協力が必要。
- 矯正用ヘルメット設計など、異常な頭部形状の診断に適している。
- 技術の進歩:
- 最新の3Dスキャンシステムでは、0.1mm単位の精度が実現。
- MRIに比べて静的測定が容易で、時間の短縮にもなる。
5. 結論 (Conclusions)
- 両方法の推奨用途:
- 伝統的測定: 一般的なスクリーニングには最適。
- 3Dスキャン: 高精度な測定が必要な場合や、異常な頭部形状の詳細な評価に適している。
- 組み合わせの重要性:
- 両方法を組み合わせることで、さまざまな用途や状況に対応可能。