論文概要
| 原題 |
Congress of Neurological Surgeons Systematic Review and Evidence-Based Guideline for the Diagnosis of Patients With Positional Plagiocephaly: The Role of Imaging |
| 日本語訳 |
神経外科医会議による位置的斜頭症患者の診断に関する系統的レビューとエビデンスに基づくガイドライン:画像診断の役割 |
| 出版年 |
2016年 |
| 著者 |
Catherine Mazzola, Lissa C Baird, David F Bauer, Alexandra Beier, Susan Durham, Paul Klimo Jr, Alexander Y Lin, Catherine McClung-Smith, Laura Mitchell, Dimitrios Nikas, Mandeep S Tamber, Rachana Tyagi, Ann Marie Flannery |
| 出処 |
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27759672/ |
論文要旨
- 姿勢性斜頭症の診断には、臨床診察がほとんどの場合で十分であり、画像検査は必要ない場合が多い。
- 診断が不明確な場合は、X線や超音波が推奨される。3Dトポグラフィカルスキャンは、重症度の評価や補助診断に役立つ。
- CTスキャンは放射線被ばくリスクがあるため、他の検査が非診断的な場合に限定して使用されるべき。
- MRIは斜頭症の診断には推奨されない。
本コンテンツは論文を機械的に要約しそれをもとに論文の要旨をまとめたものとなります。
内容の正確性については責任を負いかねること予めご了承ください。
論文の内容につきましては原文を必ずご確認ください。
1. 背景
- 姿勢性斜頭症の診断における画像診断の必要性に関するエビデンスベースのガイドラインはこれまで存在しなかった。
- 姿勢性斜頭症は、頭蓋の変形が見られる一般的な疾患であり、特に頭蓋縫合早期閉鎖症(craniosynostosis)の除外診断が必要な場合がある。
- 姿勢性斜頭症は外科的治療を必要とせず、位置調整、理学療法、または場合によっては矯正ヘルメットで治療可能。
2. 目的
- 姿勢性斜頭症の診断に画像検査が必要かどうかを評価する。
- 画像検査が必要な場合、その適切な種類とタイミングを明確化する。
3. 方法
- 文献検索:1966年から2014年までの期間における関連研究を、National Library of Medicine/PubMedデータベースおよびCochrane Libraryから収集。
- 204件の要約を検討し、42件のフルテキストをレビュー対象に選定。
- そのうち32件が最終的にレビュー対象となり、研究の質に応じてエビデンスのレベルを評価(クラスI~III)。
- 推奨事項の強度をエビデンスに基づいて分類(レベルI~III)。
4. 結果
- 臨床診察は、ほとんどの場合、斜頭症の診断に十分である(エビデンスレベルIII)。
- 画像検査が必要な場合:
- X線や超音波:頭蓋縫合の状態を確認するために使用。
- 3Dトポグラフィカルスキャン:重症度の評価や診断の補助に使用可能。
- CTスキャン:X線や超音波で診断が不確実な場合に限定して使用。頭蓋縫合早期閉鎖症を除外する際に役立つ。
- MRIは診断には役割を果たさない。
5. 推奨事項
- 臨床診察の推奨
- 基本的な診断手段として臨床診察を使用すること(推奨レベルIII:低い臨床的確実性)。
- 画像検査の推奨(臨床診察が不明確な場合)
- X線または超音波検査を使用(推奨レベルII:中程度の臨床的確実性)。
- 高度な画像検査の推奨(追加の必要がある場合)
- 3Dトポグラフィカルスキャンまたはステレオフォトグラメトリーの使用を検討(推奨レベルIII)。
- CTスキャンの使用制限
- 他の画像検査が非診断的な場合に限定して使用(推奨レベルIII)。
6. 結論
- 臨床診察が斜頭症診断の基本であり、画像検査は補助的手段として使用すべき。
- 画像検査の選択肢を最小限に抑え、特にCTスキャンの使用は慎重に検討するべき(放射線被ばくのリスクを考慮)。
- MRIは診断に役立たないため使用推奨外。