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縫合部の超音波検査:後頭部斜頭症の有用な診断スクリーニング

 

 

論文概要

原題 Sutures ultrasound: useful diagnostic screening for posterior plagiocephaly
日本語訳 縫合部の超音波検査:後頭部斜頭症の有用な診断スクリーニング
出版年 2021年
著者 Silvia Marino, Martino Ruggieri, Lidia Marino, Raffaele Falsaperla
出処 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34453581/

論文要旨

  • 後頭部斜頭症(姿勢性斜頭症と縫合早期癒合症)の早期診断は、神経学的合併症を防ぐために重要です。
  • 縫合部超音波は非侵襲的で放射線を使用せず、簡便で安全な診断手法です。
  • 超音波検査は高い感度(100%)と特異度(100%)を示し、信頼性の高い結果を提供します。
  • 臨床実践では、3D-CTや外科的コンサルテーションの前に超音波を使用することが推奨されます。
  • 縫合部超音波は後頭部斜頭症と縫合早期癒合症を区別するための有効なスクリーニングツールです。

本コンテンツは論文を機械的に要約しそれをもとに論文の要旨をまとめたものとなります。
内容の正確性については責任を負いかねること予めご了承ください。
論文の内容につきましては原文を必ずご確認ください。


 

Abstract(要旨)

  • 目的:
    • 後頭部斜頭症(姿勢性斜頭症と縫合早期癒合症)の早期診断の重要性を強調。
    • 縫合部超音波は、非放射線的で簡便な検査として注目。
  • 方法:
    • 臨床試験と文献レビューを通じて有用性を評価。
  • 結果:
    • 縫合部超音波は高い感度(100%)と特異度(100%)を示した。
  • 結論:
    • 臨床診断と治療方針決定の初期段階での使用を推奨。

Introduction(序論)

  • 後頭部斜頭症(plagiocephaly)の定義:
    • ギリシャ語で「斜めの頭」を意味する。
    • 姿勢性斜頭症(PP)と縫合早期癒合症(SP)の2種類に分類。
  • 背景:
    • 「仰向けで眠る」キャンペーン以降、姿勢性斜頭症の発生率が増加。
    • PPは自然回復することが多いが、SPは神経障害を引き起こす可能性があるため、早期診断が重要。

Materials and Methods(材料と方法)

  • 対象:
    • 2020年3月~2021年3月の間にNICU(新生児集中治療室)に入院した乳児120名。
    • 年齢0~28日。
  • 手法:
    • Esaote MyLabAlpha超音波システム(線形プローブ3-22 MHz)を使用。
    • 主に分析した縫合部: 冠状縫合、矢状縫合、ラムダ縫合など。
    • 縫合部が開存している(正常)か、早期癒合しているかを評価。

Results(結果)

  • 文献レビュー:
    • 146件の研究から43件が選定基準を満たし、2つの質の高い研究が含まれた。
  • 臨床データ:
    • 120人中105人(87.5%)がPP、15人(12.5%)が長頭症(dolichocephaly/scaphocephaly)。
    • 超音波検査で、縫合部が開存していることを確認。
    • 1例で早期癒合が疑われ、3D-CTで確認後、外科的介入を実施。
  • フォローアップ:
    • 退院後1、3、6、12か月で追跡調査を実施。
    • 頭蓋骨の形状は正常に戻った。

Discussion(考察)

  • 縫合早期癒合症(SP)の早期診断は、頭蓋内圧亢進や顔面変形を防ぐために重要。
  • 超音波の利点:
    • 非侵襲的、低コスト、放射線を使用しない。
    • 早期診断に有効で、3D-CTや外科的コンサルテーションを適切に導く。
  • 課題:
    • 年齢が上がると髪の厚さや不動性が問題になる場合がある。

Conclusion(結論)

  • 縫合部超音波は、後頭部斜頭症と縫合早期癒合症を区別するための有効なスクリーニングツールである。
  • 臨床実践での使用を推奨。